靴下の片方が消える理由を真剣に考える

晴れた日のベランダの物干しにぶらさがる洗濯物と、片方だけの靴下。

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洗濯物を干し終えて、ふと気づく。靴下が片方足りない。洗濯機の中をのぞいてもない。床にもなければ、ベランダのかごにもない。確かに二枚入れたはずなのに。この現象を体験したことのない人は、おそらくいないだろう。靴下の片方はどこへ消えるのか。今日は、この小さなミステリーに真剣に向き合ってみたい。

説一 洗濯機の中に隠れている

最も現実的な説だ。靴下は、ドラム式でも縦型でも、洗濯槽の壁やふたの裏側に張りついて残っていることがある。脱水のとき、遠心力で壁にぴたりと貼りつくのだ。洗濯が終わったあと、洗濯槽の内側を手で一周なぞってみると、意外なことに、見つからなかった片方が顔をのぞかせることがある。

説二 大きな衣類に巻きこまれている

バスタオルやシーツの折り目の間に、靴下がまぎれこむことも多い。干すときには気づかず、取りこむときにころりと落ちてくる。大きな洗濯物は、干す前に一度ばさっと広げて振ってみる。それだけで片方が見つかることがある。

説三 靴下が自分の意志で旅に出た

これはもちろん冗談だ。しかし五回に一回は、そう思いたくなるほど、靴下の片方は神出鬼没だ。もし靴下に意志があるなら、彼らは毎日わたしの足を支える暮らしに、少し疲れているのかもしれない。たまには旅に出たい。そんな気持ちも、分からなくはない。

結論 片方は、いつか戻ってくる

長年の経験から、ひとつだけ確かなことが分かっている。消えた靴下は、半年か一年のうちに、ひょっこり戻ってくる。たんすの裏から、カーペットの隙間から。そのときの喜びは、小さな再会だ。「あなたはどこにいたの」と、靴下に話しかけてしまう。

今日も靴下の片方がひとつ足りない。そのうち戻ってくると信じて、残った片方を引き出しのいちばん手前にそっとしまっておこう。

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