裁判員はくじで三度選ばれる 第3章
二度目のくじは、具体的な事件が決まってから引かれる。裁判員候補者名簿の中から、またくじで、その事件の裁判員候補者が選ばれる。名簿に載っただけでは、まだ事件の候補者ではない。二度目に当たらなければ、裁判所へ行く必要はない。一度目のくじと二度目のくじは、同じ段ではない。名簿は入口であり、事件の呼出しは別の段だ。名簿記載通知の封筒と、選任手続期日のお知らせの封筒は、別の手紙だ。前者は心づもり、後者は出頭の段への案内である。同じ裁判所の封筒でも、中身の段が違う。一度目のあとに二度目がある、という地図は、ここで具体になる。
選ばれた人へ届くのが、「裁判員等選任手続期日のお知らせ」だ。法律上の呼出状にあたる。原則は選任手続期日の6週間前までに発送される。審理が通常より長い事件では、8週間程度前になることもある。お知らせには質問票が同封される。裁判の日数が5日以内の事件では、1事件あたりおよそ70人の候補者へお知らせを送る、と裁判所は書く。70人は法廷の席の人数ではない。最終的に残る裁判員6人を選ぶための、呼出しの人数だ。お知らせには、選任手続の日時と、裁判員に選ばれた場合の職務従事予定期間も示される。封筒を開けて初めて、いつ裁判所へ行くかが具体になる。名簿の1年のあいだに、このお知らせが来ない人もいる。来ないまま年が変われば、その年の候補者ではなくなる。
質問票は、決まった日程を前提に、辞退事由の有無などを確認する紙だ。調査票が1年を通じた事情を聞くのに対し、質問票は事件の日程に結びついた事情を聞く。裁判所が辞退を認めた場合は、出頭不要の連絡が来る。認められなければ、選任手続期日に裁判所へ来る段になる。正当な理由なく出頭しないと、10万円以下の過料になり得る、と公式は注意する。呼出状であることの説明として書かれている。事情がある人は質問票で伝え、裁判所が判断する、という流れだ。質問票の返送そのものに罰はない。認められるかどうかは、裁判所の判断だ。事由の細目はここでは開かない。確認の段がある、という骨格だけで足りる。
名簿に載っても、二度目のくじに当たらなければ出頭しない。事実はそこに尽きる。事件が決まって初めて、名簿から呼出し候補が選ばれる。お知らせが届いて初めて、出頭日が具体になる。感覚では名簿の通知が出頭の始まりに見える。制度の側は、事件ごとのくじを挟んでから呼出しを送る。70人程度の呼出しは、6人を決めるための途中の段だ。あとの段で、裁判所へ来た候補者の中から最終のくじがどう引かれるかを開く。この段では、またくじが引かれる、で足りる。
参考:裁判所「裁判員の選ばれ方」/裁判所「裁判員制度Q&A」
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