法廷の前にくじで六人が決まる

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裁判員はくじで三度選ばれる 第4章

三度目のくじは、選任手続期日に裁判所へ来た候補者の中から引かれる。名簿のくじでもなく、事件ごとの呼出しのくじでもない。法廷の前の、最後の段だ。裁判長は候補者に、不公平な裁判のおそれがあるか、辞退を希望するかとその理由などを尋ねる。候補者のプライバシーを守るため、手続は非公開だと裁判所は置く。質問などのあと、最終的にくじで裁判員6人が選ばれる。必要なら補充裁判員も選任される。選ばれなかった人には、その場でその旨が知らされる。三度目まで来て残った人だけが、裁判員の席に着く。呼出しを受けただけでは、まだ裁判員ではない。出頭しても、最終のくじで残らなければ席はない。選任手続に来たことと、裁判員に選ばれたことは、同じではない。最後のくじが、席を分ける。

合議体の原則は、裁判員6人と裁判官3人だ。裁判員法も、この人数を原則の形として定める。争いがなく、裁判所が適当と認める事件では、裁判官1人と裁判員4人による決定もある。例外はあるが、地図の中央に置くのは6と3だ。年齢・性別・職業などのバランスは見ない。無作為に選任される、とQ&Aは書く。誰が残るかは、属性の調整ではなく、くじの結果だ。6人の顔ぶれをあらかじめ揃える段はない。残った結果が、その事件の合議体の裁判員側になる。裁判官と裁判員が一つの合議体を作り、有罪か無罪か、有罪ならどんな刑かを決めていく。人数の地図は、ここで固定される。6と3が原則の骨格である。

補充裁判員は、審理の途中で裁判員が足りなくなったときに備える人だ。1事件あたり最大6人まで置かれ得る。評決には加わらない。審理には最初から出るが、評議で意見を聞かれることもある。必要がなくなれば途中で解任されることもある、と公式は説明する。細かい手順は開かない。存在と役割だけを押さえる。補充は保険であり、評決の票そのものではない。裁判員6人の隣にいるが、票の数は別だ。欠員が出たときの備えが、役割の中心だ。

裁判員はくじで三度選ばれる。一度目は名簿、二度目は事件の呼出し、三度目は法廷の前の6人だ。三度目まで来て、はじめて裁判員の席が決まる。呼出しを受けた70人程度のうち、残るのはその先の数人だ。感覚では封筒が決定線に見える。制度の側は、三度のくじのあとに6人を置く。非公開の手続の奥で、最後のくじが引かれる。書名の「三度」は、ここで揃う。くじは名簿で終わらず、呼出しで終わらず、法廷の前で終わる。あとの段で、どんな事件がこの三度の舞台になるかを開く。この段では、六人が決まる、で足りる。

参考:裁判所「裁判員の選ばれ方」/裁判所「裁判員制度Q&A」/e-Gov「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」第2条

次の章:対象はすべての刑事裁判ではない

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