登録はあるが権利を生む制度ではない

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著作権は申請しなくても発生する 第6章

文化庁に著作権の登録制度はあります。ただしそれは、特許の設定登録とは別物です。文化庁の説明では、著作物を創作した時点で著作権は自動的に発生し、その取得のためになんら手続を必要としません。登録制度は権利取得のためのものではない、と明記されています。願書を出して初めて権利が立つ、という型ではありません。

第1章の無方式が、登録ページでも先に書かれています。願書の有無は、発生の条件ではない、という並びです。

では何のためか。ベルヌ条約などの国際ルールにより、著作権を得るための登録制度は禁止されます。事実関係の公示や、移転があったときの取引の安全の確保などのために、登録制度があります。

権利はある前提で、事実を公示する。登録したから発生した、ではありません。発生の条件と、公示の効果は別の話です。

種類も、発生そのものではありません。法第75条の実名登録は、無名や変名で公表した著作者が本名を登録する枠です。法第76条の第一発行年月日等の登録は、最初の発行や公表の日を推定する枠です。

プログラムには法第76条の2の創作年月日の登録があります。創作日を推定する枠で、これも発生そのものではありません。法第77条などは、譲渡などの移転を第三者に対抗するための登録です。第78条前後は登録の手続や効果の枠で、ここも発生の入口ではありません。

いずれも「権利を発生させる」手続ではなく、推定や対抗といった別の効果のための箱です。特許庁の登録と並べて読むと、目的がずれています。設定登録で権利が生まれる側と、すでに立った権利の事実を載せる側です。

プログラムを除く一般の著作物は、創作しただけでは登録できません。公表や譲渡など、法律が定める事実があったときに初めて登録の入口が開きます。ここでも、創作イコール登録可能、ではありません。入口の条件は、権利の発生条件とは別です。

©の表示も方式の履行ではありません。無方式のもとでは、表示に法律的な意味はほとんどありません。マークがあるから権利が立つ、マークがないから権利がない、という対応ではありません。表示は任意の合図に近い位置づけで、方式ではありません。

申請の書き方や手数料の手順書にはしません。必要なら文化庁の「登録の手引き」を見れば足ります。侵害の勝ち筋も、無断利用の穴も、ここには置きません。

著作権は申請しなくても発生する。登録は権利を生む制度ではなく、発生の後の話です。無方式の入口と、公示のための登録は、同じ文化庁のページに並んでいても役割が違います。申請しなくても発生する、というのが最初の答えであり、最後の答えでもあります。

参考:文化庁「著作権の登録手続き」/文化庁「著作権テキスト」(令和8年度版)/e-Gov「著作権法」/文化庁「登録の手引き」

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