一度に全部は動かないこともある

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法律は公布されてもすぐには動かない 第5章

一度に全部は動かないこともある。公布された法律でも、効力が同じ日に全部立ち上がるとは限らない。章や条ごとに施行の日が分かれることがある。一部だけ先に動き、残りはあとの日に動く、という段もある。段階施行や一部施行と呼ばれる読み方だ。附則に、施行の日が複数並ぶ。同じ法律の中に、動いている条と、まだ動かない条が同居する。見た目は一冊でも、時計は複数ある。公布の段が終わっても、効力の立ち上がりは一斉とは限らない。一つの公布のあとに、複数の施行の日が続くことがある。全部が同じ朝に動き出す、という前提は置かない。条の番号が続いていても、効力が始まる日は揃わないことがある。

経過措置もある。新しい定めが動き始めても、古い扱いがしばらく残ることがある。切替えのあいだに、旧法の言葉が生きている区間がある。地図として持つのは、全部が同時に切り替わるわけではない、という一段だ。切替えの橋が、附則の経過の条に置かれることがある。e-Gov法令検索では、時点指定で未施行と施行済の見え方を切り替えられる。利用者向けの事実として、一行だけ置く。いま動いている条文と、まだ動かない条文が、同じ法令データの中に層を持つ。過去の時点や、これから動く時点を、指定して読める枠だ。層がある、という一点で足りる。公布済みでも、まだ効力のない条が残っていることがある。

刑罰を伴う法律では、周知のため即日施行を避ける運用が多い、という整理がある。参議院法制局の公開コラムが示す範囲だ。緊急の必要で急ぐ例もある。周知の日数を置く型と、段階的に立ち上げる型は、隣り合う。公布されただけでは、全部が同時に動き出すとは限らない。条ごとに日が分かれ、経過のあいだに旧い扱いが残る。一度に全部は動かないこともある。効力の地図は、公布の一行より細かい。附則の施行日が複数あれば、時計も複数だ。動いている部分と、まだ動かない部分を、分けて読む。法律は公布されてもすぐには動かない。動くときも、全部が一度に動くとは限らない。段階と経過が、施行の地図を厚くする。一冊の法律の中に、複数の開始時刻がある。

参考:e-Gov法令検索ヘルプ/参議院法制局「法律の公布・施行に関する事件」/e-Gov「法令データの改正・履歴について」

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