公布の場所は官報と決まっている

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法律は公布されてもすぐには動かない 第3章

公布の場所は、官報と決まっている。官報の発行に関する法律は、こう書く。日本国憲法改正、法律及び法律に基づく命令、条約並びに詔書の公布は、官報をもって行う。知らせる器が、先に決まっている。どこに載せれば公布か、という問いに、法律は官報と答える。新聞に載っただけでは、公布の段には乗らない。省庁のサイトに載っただけでも、同じだ。器は一つだ。同じ法律は、官報の発行は内閣総理大臣が行う、とも書く。発行の主体と、公布の器が、並んで置かれている。内閣府が官報の事務を所掌し、国立印刷局へ業務を委託する、という実務の層もある。先に持つのは、公布の場所は官報だ、という一段だ。成立した法律が世に出る入口が、ここにある。国会を通ったあとも、官報に載るまで、公布の段は終わらない。載る場所が決まっているから、公布という言葉に実体が付く。

官報は、明治十六年に創刊された国の公報だ。紙の時代から、法令や公示を国民に周知する器として続いてきた。いまの枠では、官報発行サイトに掲載されることをもって発行される。同サイトの電子データが正本になった。令和七年四月一日からの更新だ。器の名前はなお官報だ。知られうる状態に置く場所が、紙からサイトへ移った。正本の細部は、あとの地図へ残す。ここでは、公布の器が官報であり続けている、という一点を持つ。本紙、号外、特別号外など、種類の名前はある。公布の器である、という位置だけで足りる。種類の違いより、載る場所が官報だ、という地図の方が先だ。紙かサイトかという器の中身の話は、正本の地図へ回す。創刊から続くのは、国の公報という位置だ。枠が更新されても、公布の器は官報のままだ。名前は変わらない。

通常、官報は官報発行サイトにおいて、発行日の午前八時三十分に配信される。内閣府の説明にある、通常の配信時刻だ。特別号外は、内閣総理大臣が指示する時刻に配信される。時刻は、知りうる状態に置かれる時間の目印だ。公布の場所は官報と決まっている。法律がどこで世に出るか、という地図の入口が、ここにある。成立のニュースのあと、官報に載る段が来る。載ったあとに、施行の日が来る。器と時刻と正本の枠が、公布の段を支える。国民が知りうる状態に置く場所が、官報だ。公布は、その器の上で行われる。場所が決まっているから、知らせることと、動き出すことの段が分かれる。官報に載ることが、公布の印になる。知らせる段の住所が、官報にある。法律などの公布は、官報をもって行う。器の名前は、なお官報だ。公布の場所は、官報と決まっている。

参考:e-Gov法令検索「官報の発行に関する法律」/内閣府「官報について」/国立印刷局「官報について」

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